酒友・蔵元探訪記『若波・蜻蛉醸造元・若波酒造』編

更新日:2016/07/15

実は今月7月30日(土)開催の『若波酒造の会』のために、昨年(H27年5月18日)福岡県にある「若波酒造」へ蔵探訪してきました。蔵元の次女でもある今村友香さんと会うのは約2年ぶりで蔵探訪としては初めてとなります。当日は不運にも大雨でしたが友香さんは笑顔で迎えてくれました!

 

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友香さんは相変わらずちっちゃくて可愛くてキュートな顔立ちでした。左の方は新杜氏(26Byより)の庄司さんで、W杜氏体制となってます!

 

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友香さんはショートカットにして、殆どノーメイクの素っぴんでしたが相変わらずキュートな笑顔でした!
友香さんとの出会いは4年程前、若波酒造の酒を取り扱っていた此花区にある酒屋、小林商店さんを介して知り合いました。
その年、早速友香さんを招いた『酒友 日本酒学校・若波の会』を開催しましたが九州でも珍しい女性杜氏で、それも身長149cmの小さくて可愛らしい顔立ちの友香さんの生い立ちから杜氏を志したお話を聞いた後、彼女の造った酒を全種類利いてもらった途端、参加全員が友香さんの大ファンとなってしまいました!お陰様で初の『若波の会』は大盛況で終了しましたが、終了後自然と参加者全員による「来年も!」コールが沸き上がり続いて翌年も2回目の開催となりました!!友香さんの造る酒は若干バナナ様の香りを漂わせ、口当りは馥郁たるジューシーな旨味が広がりながら、フィニッシュは素直にキレイに消えていく!と言った感じの割りと骨太なイメージの酒質で、とてもちっちゃな外見の女の子が造る酒とは到底結びつかないアンバランスさに飲み手はノックダウンさせられてしまうのでしょう!!これだけの「ヴィジュアルと酒質の良さ」を勿論、関東方面の熱心な酒屋連中が放っておくハズもなく、この頃より若波酒造は関東方面にも出張せざるを得なくなり、翌年からは残念ながらOFFシーズンは時間が取れなくなり「申し訳ありませんが、しばらく大阪には来れません」と言う事になってしまったのです。
それで、しばらくはお声を掛けぬようにしていたのですが、2年過ぎたあたりから以前参加されていたお客様より「そろそろ友香ちゃんを呼んでまた若波の会を!!」と言う声が次第に高まって来たので、流石の私も抑え切れなくなってきた為、昨年その事もあって若波酒造へ行って来たのであります。そして、努力の甲斐あって今年2年ぶりに再び「幻の会」であった、あの『友香杜氏を抑えての若波の会』が復活します!!しかし、本当に「若波人気」は年々増しているので、今回開催すればまた今度はいつ開催出来るかは未知数です。なので、まだ友香杜氏と彼女の酒を知らない方は是非この機会を見逃す事はなく、参加してみて下さい!!本当に友香さんの造る酒は心に染みて、心を癒やし、明日への活力をくれて元気になる酒です!!只今『若波の会(7月30日)』は参加者絶賛募集中なので、宜しくお願いしますネ!!

 

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今年も「若波グッズプレゼントゲーム大会」をするので、友香杜氏から直々「前掛け」等がもらえるぞ!

 

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会の途中で、おにぎりをほうばる友香ちゃん!こんなチャーミングな面も見せてくれます!

 

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超レア写真!何と焼酎ブームの時あの芋焼酎「侍士の門」と同じ麹米(白玉米)を使って日本酒「侍士の門」を造っていたのが、若波酒造だったのだ!この時期当店も友香ちゃんの事は何も知らずに店で出してました!!

 

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蔵で働いている時の友香杜氏。

では、ここで少し若波酒造の歴史と友香杜氏のプロフィールも兼ねて紹介しておきますネ!
若波酒造は福岡県大川市にあり「家具職人の街」としても有名で、創業1922年(大正12年)より90年以上の歴史を刻む。
蔵元の家訓は「和醸良酒」で、人の輪と絆があってこそ良い仕事が出来て良い酒を生む!

友香杜氏は九州でも数少ない「女性杜氏」で蔵元の次女ある。5才年下の弟がおられ彼は専務を務める。現在、蔵元は父である三代目今村寿男氏が社長。初代創設者は今村春三郎で男3兄弟のため分家して当時は3蔵あった。その1つが若波酒造だが、現在はこの蔵1つだけが残る。現在「チーム若波」は社員5名とバイト2名の7人体制です!

 

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右:若波酒造三代目今村寿男氏、左:社長奥様で今でもお二人はラブラブだそうです!
友香杜氏は幼い頃は「薄暗い蔵内は危険だ!」と言われ蔵へ入ることもなかった。やがて京都の同志社女子へ入学し、家業とは関係ない学芸部に入り、その頃日本文化に魅了され華道、着付け等の師範を取得する。
学生時代は京都の歌舞伎公演で有名な南座でアルバイトに熱中し、舞台にかかわり続けるつもりだったが2001年卒業の時、社長兼杜氏であった父寿男氏が体調を崩し一年限りの約束で「蔵を手伝ってくれ!」と頼まれ、実家の福岡へ戻る。(何となく尾瀬あきら氏の「夏子の酒」と重なるが友香さん自身は「夏子の酒」に影響は受けてないそうだ!)
三代目社長の寿男氏は周りに迷惑をかけないように1年間だけ最後の酒造りをして蔵を閉場するつもりだたのだ。
実家へ戻った友香さんを待っていたのは退屈な事務仕事だった。しかし秋を抑え、最後の酒造期が始まると初日の厳かな神事に学生時代日本文化に魅了されていた友香さんの心に変化が起きる!
春、夏とひっそり眠っていた蔵が活気づくに連れ感動していく自分に気が付く!また、日々タンク内の醪が発酵が進むにつれ醪の表情が変わっていく事に心を打たれた!
「私が父の跡を継ぎ杜氏となって酒を造る!」と強く心に決めた瞬間であった!
それから「日本酒造組合中央会」の機関で、発酵学の基礎を勉強し、その後東広島の酒類総合研究所で酒造りを学び、更に知識を深めていった。(実は私も友香さんと同じ「日本酒造組合中央会」の通信教育テキストで発酵学を学んでいたのが2000年(H12)以前なので、友香さんは私の後輩になるのです!!)
そして2006年(H18年)の1月より若波酒造の杜氏を務める。2008年秋の福岡国税局純米酒部門鑑評会では「優等賞」に輝き、更に2012年春の福岡国税局酒類鑑評会では「大吟醸」と「純米大吟醸」で、W(ダブル)金賞受賞に輝いた!!

 

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また友香杜氏はリキュールにも力を入れている。地元福岡で有名なイチゴ「あまおう」を100%使用した「あまおう苺リキュール」や「パルフェ・レアカシスの梅酒」「MIXベリー梅酒」なども造っている。

 

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左がその「あまおう苺のリキュール」で石の「イチゴリラックマ」は、私が友香杜氏に4年前にプレゼントしたもので、このブログの1番最初の蔵元での写真で、友香杜氏が手にしているが、この「イチゴリラックマ」で今でも蔵元直売所の「あまおう苺のリキュール」の所に一緒に飾ってくれてます!!

 

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これがその「あまおう苺のリキュール」を仕込んでいる時の写真。仕込み時はあまおう苺が箱に入った物で、蔵一杯となりそれを手作業でヘタを取って仕込むのだが、この時期はあまおう苺の甘い香りで一杯になる!

 

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2009年の夏には渡仏して原料の「レアカシス」仕入れと本格リキュール技術を修得してきました!
また、友香杜氏の才能は「酒造り」だけではなく、先程も書きましたがお花と着付けの免状も持っていて、現在ほどOFFシーズンが忙しくなかった頃は蔵の実家でそれを教えていたり、最近では焼き物にもハマっていて私も友香杜氏より若波のデザインが入った「酒器」を頂きました!

 

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左のブルーの酒器の底面には、頂いた日にちと友香杜氏のサインが入ってます!

 

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そのブルーの酒器の底面を指差す友香杜氏!
そして他には野菜ソムリエの資格も持っております!(H22年取得)

 

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これがその野菜ソムリエの免許です。
そして学生時代の趣味は「旅行」で何と学生時代に全国47都道府県を全て回っています!
このように見た目の感じとは違って友香杜氏は大変アクティブで大変才能豊かな女性なのです。

さてそれではいよいよ昨年「若波蔵探訪」してきた若波蔵内を紹介していきましょう!!(まず言っておく事が!当日は凄い雨だった為、外回りの写真が取れませんでした!)
入り口を入るとスグそこは若波ショップ「縁(en)」となっています。

 

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そのショップの奥から先が製造場となっています。

 

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ここが「原料処理場」で、洗米はウッドソン(バッチ式)で洗い脱水器で水切りする。

 

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蒸しは和釜の上に甑を乗せて蒸す旧式スタイル(やはり「和釜蒸し」は情緒がありますネ!)
蒸糧は最高1t蒸せますが、通常は700kgがベストで蒸気技後50〜70分蒸す。
今年の石数は400石で、普通酒と特定名称酒の比率は1:9です。
水質は筑後川伏流水で軟水

 

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蒸し上がった蒸米は、この自動放冷機を使用したり大川家具職特注の放冷台などを使用。

 

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蔵内は結構広く、てくてく歩いて移動する友香杜氏。歩く姿も可愛いです!

 

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この「麹室」は私も兄弟子となる「東一」の勝木技師が設計アドバイスした「麹室」なのです!
中は1部屋と出麹室となっており、材室はコンパネ材を使用するが勝木技師曰く「麹がちゃんと造れれば材質は何でもよか!」です。
室内温度は作業内容で変わるが28℃〜37℃位です。

・そして種麹接種量はこれも目的とする麹米によって変わるが、蒸米100kgに対して、種麹菌5g〜100gです。製麹方は「箱」です。
麹の酵素力を最高にする為の最高温度も麹米の設計などでまちまちだが38℃〜46℃(正しい室内温度が常時45℃を越えると麹菌の活動が止まってしまうので、通常は40℃までの高温でキープする方がグルコアミラーゼやαアミラーゼの力価が良くなり、良い麹米が造れる。「46℃」とはそれら「アミラーゼの力価」を最高に得る為に、最後の段階で一瞬だけ高温にするためなので、間違わないように!)

・使用する麹菌メーカーは秋田県の「今野もやし」と京都の「菱六」の2社を使用する。

・27Byの酒造りで使用した米は5種類で、全て「福岡県産米」である。(山田錦、夢一献、寿限無、ひのひかり、夢つくし)

 

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ここが「酒母室」で、発酵に必要な酵母菌を大量に育成する所である。
若波の特定名称酒の銘柄で「若波」と「蜻蛉」があるが、各々で使用する酵母菌は違っている。
・若波…秋田今野株、K1501(秋田流花酵母)、福岡工業センターの夢酵母
・蜻蛉…K901
・酒母の汲み水率は平均的です。
・速醸モトにおける醸造乳酸量は平均的以下なので、酒母造りに「自信アリ」と思われます。
・酵母の添加量を見ると平均的以上だったので、優良酵母の添加量を多目にして保険をかけ悪玉菌を抑えようとしている事が分かります。

 

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ここが「仕込み場」です。蒸気の酒母をベースとして、更に麹米、蒸米、水を「添、仲、留」と三回に分けて醪量を増やしていきます。(三回に分けるのは酒母が一挙に薄まらないようにするため)
若波の酒は目的とする酒に合わせて、総米仕込み量は400kg〜1000kg仕込みまであってタンク数は12本あります。(2年前は400kg〜1200kgでタンク15本と言ってましたが、その頃は石数600kgと言っていたので、27Byは400kgと滅石した分タンク本数も少ないのか?)

・27Byの銘柄別の酒の種類は、若波:6種類、蜻蛉:4種類を造りました。

・「アル添酒」のアル添量は普通酒でも、本醸造レベルほどしか添加してません。

 

酒税法上
(普通酒:白米1tに対し、100%alcとして120L以上280L以下で)
(本醸造:白米1tに対し、100%alcとして120L以下となっていて)
若波の普通酒は100L以下しか添加してないので、本醸造は吟醸酒レベルにしか添加していないと思われます!
(※いつも言ってますが「アル添」は技術で「純米酒が全て」と私は決して思っていません。もし「純米酒に限る!」と言う方は世の中の殆どの蔵元様をバカにしている事になり、ちゃんとした理由を持って「私は純米酒の方がどちらかと言えば好きです」と言わないと「自分がバカです!」と言ってる事になり大恥をかくので皆様ご注意下さい。)

・発酵具合は当然「完全発酵」が理想ですが、たまに思う様にならない時もあり、そういう場合、上槽後火入れのタイミングで調節することもあり。

・「上槽時の決定は何を目安にするか?」の質問に友香杜氏は醪の官能と状ぼうと月桂冠から発売されている「ピルビン酸検査紙」によって決定する!と言ってます。
因みに上記写真の中央に鎮座する「キャスター付移動階段」は大川の家具職人が、友香杜氏専用に作ってくれた「醪タンク用階段」で、友香杜氏が各醪タンクを上部から覗き易いよう身長149cmの彼女に合わせて作られている「友香杜氏の必殺階段」なのです!

 

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これは「ヤブタ式圧搾機」です。若波酒造は「ヤブタ式」が「首吊り」の搾りをします。
このヤブタ式は平均84枚のパネルを使用して搾ります。

 

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普通酒などはこれらの貯蔵タンクに入れ熟成させたりします。
中央奥に見える機材は横型濾過器ですネ

 

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このステンレスのシンクの様な物は「ビン燗器」です。この中に火入れする酒をビンに詰めた状態(4合ビンは軽くフタをして1升ビンは栓をしてから)で並べて入れますぬるま湯の状態から熱していき、中央のビンの中身の温度と端のビンの中身の温度が約62度になると「火入れ」は完了で、すぐ取り出し出来るだけ早く常温に戻してからスグ冷蔵保存するのだ。

 

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各冷蔵貯蔵庫はアルファベットが記され何の酒をどこの冷蔵貯蔵庫に入れているかが分かる。

 

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この様に一流の蔵元はとにかく冷蔵庫にこだわり大量に全ての酒が貯蔵庫に入れる事が可能としている。

 

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ここは「検査室」で出来たお酒のalc度数、酒度、酸度等を調べる部屋(左端中央に見えるのは「若波名物の座敷童子」ではなく友香杜氏です!)

 

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機材を修理する道具やフラスコ、ビーカーなどこの部屋には何でもあります。

 

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そして蔵の1番奥にあるのが友香杜氏も大のお気に入りの部屋である「テイスティングサロン」があります!

 

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友香杜氏が全ての若波酒をわざわざセッティングしてくれました。

 

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ものスゴク良い感じのサロンです!!この部屋は元々木桶職人のメンテナンス室だった所を友香杜氏の発案で改装したものです。またここでは20人位での音楽コンサート等も出来るスペースがあり、実際多くのパイプ椅子も並べてあります。
以上こんな感じで「若波酒造蔵元探訪記」を終了致します!!

ここまでちゃんと見て下さった方々は「友香杜氏とゆっくり話ししてみたい!」「友香杜氏の造ったお酒を飲んでみたい!」と思った事でしょう!!そう思われた方は、まだ若干お席が空いておりますので、とにかく「酒友」までお電話下さい。特に女性の方でお着物を着れる方は優遇致します!
なぜなら友香杜氏も「着付けの先生」をやっておられるので、大喜びしてくれますヨ!!
参加希望の方は、酒友:06(6821)2985まで連絡下さいネ!(「会」の詳細は前回のブログのページにあるので見て下さい。)


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TEL:06-6821-2985