賀茂金秀&富久長・広島蔵元探索レポート(賀茂金秀変)

更新日:2015/08/27

H27年6月29日(月)ずっと訪れてみたかった蔵元の1つ『賀茂金秀醸造元・金光酒造』へ訪蔵してきました。

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現在「賀茂金秀」をメインブランドとする金光酒造は7割が県内消費である。
創業は明治13年、蔵元は広島県西条地区より少し離れた黒瀬町にある。また酒類研の広島醸造研究所の一番近くにある蔵元である。創業より「桜吹雪」という銘柄をメインブランドとした小蔵としては珍しい姫飯造り(「液化仕込み」とも言われ融米造りと同じ考えのもと岡山県工業技術センターの姫野国夫氏が開発した。)による普通酒が9割近く占める造りを2000年頃までやっていた。
蔵元の金光秀起(5代目予定、次長兼杜氏)さんは東京農大醸造学科卒業後1998年蔵へ戻る。
当時、当たり前に普通酒を造っていたが、転機は山形のある蔵元の純米吟醸を飲んで「米の旨味が広がりスッと消えていく」次元の違う酒を飲んでから目覚めた。
現社長で父親である正昭さんに許可をもらい2001年頃より手造りの酒に着手する。
まず蔵の衛生面より手を付けて麹米、酵母の選び方をはじめ、酒の専門書を片手に独学で発酵学、酒の造りを勉強した。やがて納得の出来る純米酒と純米吟醸酒が造れるようになると新銘柄として蔵のある地域から「賀茂」と自身の名前「金光秀起」から「金」と「秀」をとり「賀茂金秀」と命名した。それらを持って、まず地元お広島の実力地酒屋へ持ち込み実力を認められてから東京進出を狙った。その後2009年から3年連続で全国新酒鑑評会でも金賞受賞するほど実力蔵に成長していく。勿論、今年(26By)も全国新酒鑑評会で金賞受賞している。

 

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「賀茂金秀」という酒に関しては出品酒はあえて「賀茂金秀」と名乗らず「桜吹雪」と名乗り、地元広島の酒米「千本錦」を使用して勝負する。その理由は秀起さんが蔵に戻られた頃、出品酒の「桜吹雪」は斎場の清酒鑑評会では最下位だった。その悔しさを見返すために、あえて「桜吹雪」ブランドで出品し続けている。(もう十分遅すぎる程見返したと思われるが!?)

 

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(OFFシーズンに入ったため、蔵の壁等の修理をしているが酒蔵のシンボルである煙突によく見ると「桜吹雪」と書かれている)
そして、また今年(26By)は「新しい試み」として秀起さん自身あまり酒に強くないという事で、酒の弱い人でも気兼ねなく飲める酒として「低alc13度原酒純米」を試験醸造的に造った。
今回私が訪蔵した理由の1つに、この仕込み方についても確かめるためで、秀起さんに「私なら低alc酒を造るなら醪の後半よりBMD曲線と相談しながら〜して仕込むが!?」と言って質問すると、秀起さんは「全く酒友さんのおっしゃる通りの仕込み方で、自分は相原社長(雨後の月蔵)のレシピ通りに造ってみました!」と返答してくれました。昔のalcを低くする仕込み方法は搾ってから加水してましたが、そうするとalc分は確かに落ちますが、同時に旨味成分等他も全て薄まり、いわゆる「シャバイ酒」になってましたが、現在の低alc酒はそんな単純な方法では成り立ちません!!
また、秀起さんに「酒造りする時に何かポリシーはありますか?」と聞くと「微差は大差なり」と「技術よりも気持ち」を大切にしていると言ってました。それから10月より次長より社長に昇格するらしいですヨ!!これからも注目したい蔵元の1つである。

 

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仕込み水は蔵敷地内にある井戸水(軟水)を使用

 

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その井戸水を更にこの紫外線照射機に通して殺菌してタンクに溜めてから「仕込み水」として使用している!
これは医療業界ではよくあるが、それを酒造り仕込みに応用する蔵元は初めてだ!!

 

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ご存知!十四代、新政、くどき上手など多くの有名蔵も使用している高性能コンパクト米洗浄器「ウッドソン」!

 

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現在では超希少な木樽甑を使用している。

 

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木が呼吸する事により蒸気の抜け等が良くなり結果良い蒸米が作れる。

 

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麹室もご存知!造り酒屋の憧れ的である栃木の日東工業社製!

 

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仕込み室にズラリと並ぶ仕込みタンク。気がついたと思うが、くらないの清掃は大変良くできていて、ピカピカである!

 

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2000年頃までやっていた「姫飯造り」で使用していた発酵自動制御機を改造して使用する。

 

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ヤブタ式自動圧搾機でA型を使用する。更にヤブタ機を冷蔵庫内に設置して春先の温度が上がる時期に対応出来るように気づかっている!

 

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冷蔵時蔵庫より出してきた酒ビンの霜露を取りラベルを貼るため扇風機で風をあてる。
よく春以降蔵元で見る風景の1つ。
このように一応蔵内を見せて頂き、まず感じた事は清掃がよく行き届いている事に気持ちがよかった。
酒造りは基本目に見えぬ金との戦いなので、汚れた蔵からは良い酒は造られない!
あと水質検査をパスした天然の良質な井戸水を更に紫外線照射による滅菌させた水を仕込み水に使ったり、木樽甑など、なかなかユニークな機材がある事に驚かされました!
さて、次に向かった蔵元は私が若かりし頃(30代前半)師事していた元大阪国税局鑑定官室室長、故・永谷正治先生に同じく師事していた富久長醸造元・今田酒造の元気印杜氏今田美穂さんへ久々会いに行きました。


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