「利き酒大会」の考察(ある利き酒大会へ物申

更新日:2015/09/11

今回、私のある知人が開催する『利き酒〜』と言うタイトルの利き酒大会へ参加してきました。
実はわたしは日本酒造組合中央会などが毎年開催する日本で最も権威のある『全国利き酒大会』の上位入賞の常連者でした。過去には全国大会で「全国4位」にもなりました。10年位前から「強過ぎる」という事で大阪府酒造組合が開催する地方予選会への出場すら遠回し的な言い方で「お断り」されるようになりました。
それで今は自分の店で開催する「酒友・日本酒学校」で後輩育成として会の1時限目のイベントとして、毎回「正しい利き酒方法」を教えるようになったのです。一応いつでも大会へ出られるよう、いつも準備はしています。そんな事もあり遊びの大会ではありますが、「知り合いの開催」という事もあり出るからには真剣モードで出場しました。

「利き酒大会」には2つのやり方(マッチング法、ランキング法)があり、通常は「マッチング法」でやります。やり方は例えば5酒類の酒を使用するなた、まず1回目は各々5酒類の酒の味を覚えるために順番にグラスに酒を入れていき、味を覚えます。その後、その酒はシェイクされ次に2回目として再び順番にグラスに酒を入れ味をみます。そして最初の何番目の酒と、今味見している酒が同じ酒でしょうか?というように同じ酒同志を合わせていく方法が「マッチング法」です。
勿論「最低のルール」として本チャン大会であろうと、遊びの大会であろうと、1回目の酒と2回目の酒は同じ酒であって、それも「温度」と「鮮度」が同じでなければならない!それは日本酒というものは、温度変化に敏感で冷温、常温、加温の各々で「甘味」と「酸味」の出方が全く変わり、同じ酒であっても全く別物酒となってしまうからです。まァこれ位までなら、グラスを手で温めたり、口の中で温度を上げたりして、我々プロは対処法を知ってはいるが、どうしようもないのが「鮮度」である!つまりビンの中に入っている酒を注ぐ為に栓を開けたり閉めたり繰り返しても、中身の温度は多少上がってはいくが、ビンの口は小さい為それほど空気による酸化は影響しません。しかしグラスに酒を入れ10分位放っておくとビックリする位酒質は変わってしまう。それはグラスに入れる酒量が少ない程、早く酸化が強くなる。また香りの成分も揮発性物質なので、香りもどんどん飛んでいき、香りがしなくなってしまう!つまり酒質が「劣化」するのです!これらの事を「鮮度」と言って、酒質が劣化してしまうと温度差のある酒の場合とは比べ物にならない程全く完全に「別物の酒」となってしまう。こうなるとプロであればある程、酒は合わせられなくなる!!
なぜならプロは1回目の酒の味見で完璧に味を舌にコピーしてしまう為、全く酒質の違ってしまった2回目の酒の味は舌の記憶には無い味なので、合わせようがないのである。

ここでプロでない人は「プロならそこを何とかするのがプロでしょ!」と言う人も多いでしょうが、実際大会では1回目の味見の酒は味を覚えると同時に下げられて「あっもう1回味見させて!」は認められません!故に最初から「もしかすると2回目は劣化した酒を出すかもしれません!」と言われてない限り、何の防衛策もしないまま疑いもなくそのまま1回目の味見の酒の味を舌にそのまま記憶するだけなので、どうしようもありません!確かにそれで大会を放棄する訳にはいかないので、何とかしようとはしますが、まずその時点から憶測の世界に入る為、それは「偶然に多く頼った作業」となるので所詮「当てモンの利き酒」となります。つまり「勘に多くを頼るアマチュアレベルの利き酒」となるので運によってはアマチュアが優勝し、プロが負ける場合も出てきます。
正に今回私の知り合いの人が開催した『利き酒大会』はこの1番やってはいけない最悪のパターンにはまっていました!実は1回目の酒が劣化していて香りも抜けていて2回めの酒が正常の酒だったのです!そして結果は上位の人はアマチュアの方でした。これは「偶然」とか「まぐれ」と言う言い方をしては失礼なので何もこの結果については語りませんが…
勿論、こんな『最低ルール』を破る「利き酒大会」などあり得ないので、知り合いの主催者へクレームを言って「最低のルール」についても説明しましたが、彼は聞く耳を持たず謝るどこれか私が先程書いたように「プロならわかるハズでしょう!」と言い返してきました!遊びの会であってもお金を取る利き酒大会ならば酒の「温度」と「鮮度」は同じにするのが最低のルールです!こんな酒の変化についての知識や利き酒大会における最低のルールも知らない人だった。という事が「謝らない」よりもっと残念でした。「愛LOVE日本酒」と言って卍固めの会に対抗したような会をしても、リーダーが「飲む事がLOVEでも、知識がLOVEでない」なら、そのうち誰もついて来てくれなくなりそうで心配です。
では、何故彼が1回目の味見の酒が劣化して2回目の酒が正常だったか説明しましょう!今回は10酒類の酒を20人強の人達へ試飲させるのが大変だったのか参加者1人ずつにプラコップ(親指位の極小サイズ)を10個並べ、予め会のスタートより30分以上前からそのコップに各々15mlの極少の量を入れ置きしてました。会を早くスムーズに進行させるため、早くから入れておいたのだろう。それで15mlという極少量の酒だった為、すぐ酸化し香りも抜けてしまったのだ!そして2回目の酒は1升ビンから直接2回目用の別のプラコップに移し入れるに近いスタイルを取ったため、ビンの中の酒は劣化していない正常な酒だったので1回目の味見の酒と、2回目の酒の味が全く違ってしまっていたのでした!

腹が立っていたので、次の日私の知り合いの蔵元杜氏や国税庁の先生など、酒の知識者にこの事を話して意見を求めたところ、2人共私と全く同じ答えでした。
実際この会が『勘に頼った当てモンの会』と化してしまった以上抽選箱からハズしくじを引いてしまったのと同じで、別に言い訳する気にもなりません。それよりも一応この10酒類の酒の配置によって1〜3番目の酒までは「初級向け」、4〜6番目までは「中級向け」、7〜10番目までは「上級向け」の内容になっていたらしく今回優勝した方は1番簡単な「初級向け」をハズし、あとは正解していたらしいのですが、この結果をみても「なんだ、それならたまたま当たって優勝したのか!」と言われてもしょうがありません。せっかく優勝した人に対して大変失礼な事をしているという事にも気付いて欲しいです。(開催者の人には)まァ厳しい事も書きましたが、「知り合い」ゆえ、ちゃんと襟を正して卍固めの会を真似せず、独創的な会を開催して欲しいからです!!

あと、最後に酒友が毎月開催している「日本酒学校」(日本酒の会)で、毎回授業(イベント)の1つとして2次限目に開催している「利き酒大会」は勿論1回目の味見の酒と、2回目の酒は「同じ温度」「全く同じ酒質」でやってますし、全国利き酒大会で使用している同じ「ガラスのグラス」を使用しています!
「プラコップ」など、プラスチック臭のする可能性があるグラスなどは使用しません!
また1時限目の授業(イベント)は「正しい利き酒のやり方」も教えていますので、真剣に「利き酒方法」をマスターしたい方も「酒友・日本酒学校」へ参加してみて下さい!
必ず「利き酒能力をUPさせます!」
因みに、次回は9月26日(土)『酒友・日本酒学校「川中島幻舞」千野麻里子杜氏を囲む会』です。
予約電話待ってま〜す!!(詳細はこのブログの最後で)

 

PS
今年ついに7年ぶりに大阪代表として全国利き酒大会・東京決勝大会への出場を勝ち取りました!!
この大会で必ず優勝して「日本一の利き酒師」となって、今回の汚名(言い訳疑惑)を晴らします!!
「全国大会」は10月30日(金)東京ホテルオークラでの開催となりますので、一応「大阪者が日本一となる!」と言う事で応援して下さいネ!


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